㈱Dジャパンは、オープンプライスを導入したことについて次のように述べている。
「日本では馴染みがありませんが、本社のある米国では価格は積み上げていくものとなっています。
メーカー出荷額から問屋、小売店がそれぞれのマージンを上乗せしていくらだ、という方式です。
商品ごとの原価も違い一律に何掛けだということはあり得ません。
量販店などが自分たちでオペレーション価格を下げ利益を出していくなかで、どの程度のマージンをとるかはそれぞれのチェーンや地域によって異なります。
一物一価ではなく、非常に弾力性がありますよ。
日本ではオープンプライスといっていますが、米国ではそういった言葉はありません。
われわれはチャネル限定戦略ではなく、最高の商品を作るが必ず身近に存在しなければならない、という基本理念ももっています。
そこで中堅の量販店まで(売り上げを)拡大していこうとした時、現実に直面したのは希望小売価格は有名無実化し、実際の価格は実勢価格としてはるかに低いところで存在していたことでした。
そこに飛び込み様々な販促金を出し特売、特売で売っていくのではなく、包材など間接コストの削減で価格を下げ家庭内への浸透を図ることにしました。
(「S新聞」92年10月14日より)ふたつのケースを長々と引用したが、近い将来、オープンプライスは必ず定着してくることを指摘しておきたい。
現在、オープンプライスは、食品業界のみならずマンダムのように化粧品業界やトイレタリー業界などにも普及しつつある。
だが、その実態は本来のオープンプライス制ではない。
ただメーカー希望小売価格やリベート制を廃止しただけで、建値制時代の掛率は、目安として残している。
それでは、オープンプライス本来の意味は一体何なのか。
その答は、アメリカにおける価格形成のプロセスから理解できる。
ここでは、アメリカの卸売業が小売店に販売する価格形成の基本プロセスをみていくことにする。
アメリカにおける価格形成プロセスたとえば、AとBの卸売業(同規模の同業者)が存在すると仮定しよう。
このA、B2社が同一の小売店に対して商品を販売するまでの主要なコストを大まかに計上し、比較してみたい。
アメリカでは、一定条件の下で同一商品を同一量取引する場合、売り手は買い手に対して販売価格に差をつけてはならないという“ロビンソン・パットマン法”が存在する。
したがって、A、B卸売業の両社は、メーカーから仕入れる原価が基本的に同じと解釈する。
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